どこまでリスクを取るのが正解なのか

リスクの取り方について踏み込んで考えよう

過去記事、「リスクを取ることも時には必要だ」でリスクを取ることの重要さを学んだ。特にリスク相応のリターン、あるいはそれ以上のリターンが望めるのであれば多少危険を冒してでもリスクを取ったほうが勝てる公算は高くなるだろう。

しかし、ここで一つの疑問点が浮かんでくる。

一体どこまでリスクを取るのが正解なのか。

危険を冒さねば美味しい果実にありつけないものの、危険を冒しすぎれば待っているのは身の破滅。敗北の二文字である。

そこで、この記事ではどこまでリスクを冒していけば良いのかについて、延べていくことにする。これはリスク管理を語る上でも重要なことだ。リスクの取り方をより深く理解することで、勝利の二文字に大きく近づくことが出来るかもしれないのだから。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

具体的な答えを求めてはいけない

リスクの取り方を述べる上で、意識して欲しいことがこれだ。対人戦である以上、絶対は無いのである。リスクの取り方について、数学のような答えがこの記事で得られると思った人は、まずその考えを修正しなければならない。フレーム単位で確実な答えを出せるのならそうすれば良いのだが、そんなことは小中学生でも簡単に出来ることであろう。

安易に答えを出してリスクの取り方を結論づけてしまえば、相手に付け入るチャンスを与えてしまうだけだ。そのことだけ初めは念頭に置いて欲しい。これがCPU相手であればゲームのジャンルを問わず、リスクをどこまで取れば良いのかという正解が必ずあるのだが…。残念ながら人相手ではそれが成立することはあり得ないのだ。

ただし、リスクの取り方について絶対的な正解は無いのだが、ある程度の指標を出すことなら可能だ。管理人の考えありきな所はあると思うが、その指標について具体的に解説していく。この記事を機に、リスクをどこまで取れば良いのか少しでも深く理解できれば幸いである。

対戦相手や状況からリスクの指標を見出す

より勝利を盤石なものにしたければ、対戦相手や状況によってリスクを取る量・程度を変えていくのがポイントとなる。なぜ相手プレイヤーや状況次第でリスクをどこまで取れば良いのかが決まるのか。それをこれから解説していこう。

ここで一つ、以下に例を出すので一緒に考えて欲しい。相手プレイヤーのことはひとまず置いておくことになるが、リスクの取り方を理解する上で避けては通れない事項だ。

  • 例①:リスクを冒せば50%の確率で相手を撃墜できるが、50%の確率で自分が撃墜されてしまう。この時、自分はリスクを取るべきか否か。
    ※(どんな時にこのような事態となるかは、さして重要な話ではないが例えば、危険な復帰阻止を狙うかどうか考えている時…などのように思っておいて欲しい)

難しい問題である。この例に対し、「リスクを取るべき」と答える人もいれば、「50%の確率で失敗して撃墜されるのは危なすぎるのでリスクは取らないべき」と答える人もいるだろう。当然、人によって最善と思う答えは違ってくるわけで。これが絶対的な答えが無いという理由の一つでもあるわけだ。

さて、次の例の場合はどうするか。

  • 例②:リスクを冒せば60%の確率で相手を撃墜できるが、40%の確率で自分が撃墜されてしまう。この時、自分はリスクを取るべきか否か。

今度は少しリスク・リターンの条件が緩くなった。成功率は60%まで上がり失敗して撃墜される確率も40%まで減っている。これなら①よりもリスクを取るべきと答える人は多くなることが予想できる。しかしこれでも、皆の答えが一つにまとまることは決して無いのではなかろうか。特に危険を冒すことをなるべく避けたい安定思考のプレイヤーからすれば尚の事である。

とりわけ、大会の試合みたいに絶対負けられない状況であればあるほど、この状況でさえリスクを取ることに躊躇してしまうだろう。例え70%で撃墜できて30%で撃墜されるような状況でもリスクを取るべきかどうかは、その人次第で変わってくる。それが普通のことだ。これは例え40%の確率で相手を撃墜できて、60%の確率で撃墜されるような状況であろうとも本質的な部分は変わらない。

「ここでわざわざ危険を冒さなくても、状況が変わって安全に相手を撃墜できる状況が生まれるかもしれない」と考えてしまうのは、人であれば当然の思考なのである。面白いことに、人という生き物は「得られる利益」よりも「失う恐怖」の方が強いとされている。その強さの差は3倍近くとまで言われているらしい。このような性質を損失回避性と言い、「プロスペクト理論」と呼ばれている。行動経済学を知る上でも重要なことであるとされている。これ以上このことについて述べると、話の本質から逸れすぎてしまうので興味のある人は調べてみると良いだろう。

さて、少し話が脱線したがここからが本題。次にまた例を出すが、今度は条件を追加する。

  • 例③:リスクを冒せば50%の確率で相手を撃墜できるが、50%の確率で自分が撃墜されてしまう。相手は2ストックで蓄積ダメージも少なく、自分は事故でやらかしたのもあって1ストックとなっている。この時、自分はリスクを取るべきか否か。

今回は、相手にほぼ丸々1ストック分の差がついてしまっている。この状況だと、まず自分が大きく不利な状態になっており、ここでリスクを取らず安定思考を取って対戦に臨んでも負ける可能性が高いことに変わりは無いだろう。しかし、50%の危険を冒せば、その圧倒的不利な状態から脱して互角に近い状態まで持っていける。

このことから、①と比べてリスクを取るべきと答える人が圧倒的に多くなるのでは無かろうか。理由は上記で延べたように、簡単に説明できる。この状況であれば例え成功率が40%や30%であろうともリスクを取るべきと答える人はやはり①比べれば多くなることが予想できる。これが、状況からリスクの指標を見出す方法だ。さて、この調子で例④に行ってみよう。

  • 例④:リスクを冒せば50%の確率で相手を撃墜できるが、50%の確率で自分が撃墜されてしまう。自分は2ストックで蓄積ダメージも少なく、相手は事故でやらかしたのもあって1ストックとなっている。この時、自分はリスクを取るべきか否か。

今度は、自分がほぼ丸々1ストック分のアドバンテージを得ている状況。この状況でリスクを取るべきか否か。ここまで来てくれた読者の方々であればもう、解説する必要はないだろう。ここでもリスクを取るべきと主張する人は果たしてどれだけいるか…。①とは比べるまでもないだろう。


次に、対戦相手からリスクの指標を見出す方法について解説する。

先ほどと同じように例を出して考えてみよう。

  • 例⑤:リスクを冒せば50%の確率で相手を撃墜できるが、50%の確率で自分が撃墜されてしまう。相手は自分よりも格上の強さを持っていて、ステージ上での立ち回りは、こちら側が終始圧倒されている状態である。

今度の例では、相手に強さの差・立ち回りで差が出ており、互角な戦いは出来ていない状態だ。この場合、①と比べればリスクを取るべきと答えるほうが正解に近くなると考えられる。それもそのはず。リスクを取らず安定して戦おうにも、そもそも相手が格上であるため、安定した戦いを展開しようにも、自分が安定して負ける可能性が高くなるだけである。

だからこそ、例え50%しか成功率が無く自分が逆に撃墜される可能性があろうとも、リスクを取るべきと言う主張に傾いてくるのが普通であろう。これは相手との実力差があればあるほど顕著になってくる。

極端な話、対戦相手が全国はおろか、世界にも通用するトッププレイヤーで、自分は立ち回りでは手も足も出ないような状態でそんな中偶然、例⑤の様な場面に遭遇したらリスクを取るべきか取らないべきか。①と比べてリスクを取るほうが正解に近いと言えよう。遥か格上の相手に50%の確率で撃墜、或いは勝利できるのであれば期待値は充分。むしろお釣りが出るかもしれない。そして、例え成功率が40%や30%以下であろうとも危険を冒す価値があるのかもしれない。当然逆もまた然りである。自分側が立ち回りで圧倒できるのであれば、リスクを冒す必要性も必然的に低くなる。そのような状態で悪戯にリスクを背負っても、負ける可能性が高くなることは容易に想像できよう。

実戦を交え、自分の中でリスクの指標を確立していくようにする

後は、実戦を重ねていき、自分の中でのリスクの取り方・指標というものを確立していこう。そのようにして積み重ねていったリスクの指標は自分にだけしか無い、たった一つの強力な武器にもなり得る。

リスクの取り方・指標は、実戦を交えないと中々分からないことも多い。頭でのみ考えても手が追いつかない状態になってしまうので、ある程度指標を見出した後は、実戦を重ねて行くことが重要となる。リスクの取り方を意識した上で実戦をしていけば、徐々にリスクの取り方が正解へ近づいていき、考える時間も減れば、やがてあまり意識しなくても出来るようになってくる。

ここまで延べたことを頭の中で整理し実行することが出来れば、リスク管理についての理解は相当深まっていると思っていいだろう。

この部分は表面化しにくい上、すぐ結果へと結びつくことも無いかも知れない。しかし、だからこそ他のプレイヤーと比べて差を付けやすい分野であるとも言える。難解であり、答えもすぐには出ないとは思うが、基礎を語る上で価値の高い事項であることもまた、間違いないと言えよう。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

コメント

  1. Yt より:

    対戦相手からリスクの指標を見出す方法について質問です。
    某対戦サイトでは実力がレートとして可視化されていますが、この数字だけを見て対戦前から格上/格下の判断をしておく(相手の数字が大きいほど賭けに出る頻度を増やし、小さいほど安定択を増やすというのを予め決めておく)のはアリでしょうか?

    • サウザー より:

      レートそのものが、強さの指標になっている所はあるので、ある程度参考になるのは間違いないと思います。ただし、いくつか注意点があります。
      まずは、レートだけでなく対戦数がどれだけ多いかも重要です。何故なら回数を重ねれば重ねるほど、勝率は収束していくからです。対戦数が少ない場合、流れが良くて偶然勝ち進んでいたり逆に負けが込んだりして、相応のレートでないケースが起こることも十分考えられます。
      また、対戦相手を選んでいる場合とそうでない場合でも変わることが考えられます。自分にとって相性の良くてレート的にも美味しい相手ばかり狙うプレイヤーの方が、相手を選ばないプレイヤーと比べてレートが高くなりがちなので、そういったことも考慮しなければならないです。

      よって、レートの数値だけで相手を格上・格下と判断するのはあまり良くないと管理人は考えています。

      相手からリスクを見出す上で、最も重要なのが実際に自分が対戦してみてどうなのかです。
      相手がレートが高くて有名なプレイヤーであっても戦いやすいこともあれば、そうでない人やレートが低い人とやって立ち回りで押される可能性もあるでしょう。
      だから自分から見てどうなのかで判断することを薦めます。

      • Yt より:

        サウザーさんの仰るように、数字は参考程度にしてそれに振り回されないようなリスク管理をしていこうと思います。
        詳しい回答ありがとうございました。
        これからも陰ながら応援しています。

  2. とあるスマブラー より:

    cfを使ってるんですが、空中NAの2段階目がサウザーさんの動画ほど繋がりません…
    動画では空DAをかなり繋げておられますが、何か意識してることなどありますか?
    この記事とは関係ないコメントで申し訳ありません

    • サウザー より:

      空NAで重要なのは、ずばり高度です。空NAの高度が的確であればあるほど繋げやすくなります。
      自分の投稿したガチタイマン動画のPart.06でもそのことについて触れているので、よければ参考にして下さい。