読み合いの基本
対戦ゲームにおいて(特に格闘ゲーム)読み合いは、非常に重要な要素だ。
読み合いとは、端的に言えば、相手の次の動きを予測することだ。相手の動きを読むことができれば、それに対応できる行動を事前にこちらが用意することが出来るので、試合展開を有利に進めることが出来る。
しかし、読み合いの本質を、本当の意味で理解できていない人は多い。間違った意味で読み合いの意味を捉えてしまい、そのことによって思うような試合展開が全く出来ないという事態に陥ることもある。
そこで今回は、読み合いの具体的な方法ではなく、まずは読み合いの基本的なことについて、深く掘り下げていこうと思う。そうすることで、本当の意味での読み合いと言うものを理解してほしいと考えているからだ。
それでは、始めていこう。
読み合いはジャンケン+心理戦
読み合いの要素と言うものは、実はざっくり言ってしまえば、この2点で説明がついてしまう。この2点の要素が複雑に絡んでいって読み合いと言うものは成立しているのだと管理人は考えているわけだ。
まずはジャンケンの要素について話していく。
ジャンケンといえば、運ゲーの要素しか無いと捉える人が大半であると思う。そして、実際に読み合いと言うものは、運の要素が意外と大きい所があるのだ。
勿論、相手の動きを見てから対処することが出来るのであれば、その限りでは無いのだが、見てからでは対処できない試合展開も当然あるわけで。そうなると、相手の動きを読んで対応策を練るのが大事ではあるのだが、この点がどうしても不確定要素を強めている。
まず根本的に鑑みて、相手の考えを百発百中、全て的中させるなんてことは、不可能だろう。そんなことが出来るのは、エスパータイプの人間かテレパシーを扱えるような超能力者しかない。そんな人がいれば是非この目で見たいものだ。
だから、相手のそれまでの動向を掴んで、相手の次の行動をある程度読むことが出来ても、結局は、運次第で的中したりしなかったりする。
例えば、相手がとある状態でAの動きを30%、Bの動きを70%程度取るのだと、ほぼ確信が持てたとしよう。そうなれば、当然Bの動きを読んで対応できれば、こちらの思惑通りになる期待値も高くはなるのだが、Aの動きを何度も取る可能性だって十分に考えられる。仮に本当に機械の乱数のようにランダムであったとしても、Aの動きを連続で取る可能性は、やはり存在するのだ。
この点だけでまず不確定要素がどれほど強いかが分かるだろう。しかし、更に厄介な点がある。この厄介な点が、読み合いというものをややこしくし、難しいものにさせていると言っても過言ではないかもしれない。それは、読みが結果的に外れたとしても、そのことによって、却って状況が良くなることが、ありえるという点だ。逆もまた然りである。
例えば、上記で例えたAの動きを読んで対応策を用意したとしよう。しかし、上記の確信を持った読みが実は外れていて、相手がCの動きを取ってきたとする。しかし、Aの動きに対応した行動というのは、Cの動きに対してもかなり有効な行動だった…ということがあり得ると言う話だ。
しかし、このCの動き、実はBの動きを読んで対応すると痛い目に遭う策だったのだ。相手プレイヤーがBと言う動きを読まれた時の事を想定して用意したCの策を隠し持っていたのだが、自分側の読みが外れたことで、結果としてより良い結果を導いたのである。
このようにして、読みが外れても、それが結果の善し悪しに100%繋がるとは限らないのが、読み合いにおける非常に厄介な所だ。これは対人戦だからこそ、言える話でもある。相手も同じ人間である以上、偶然という産物を生み出すことが常にあり得るのだ。だから、「せっかく読みが当たったのになぜ試合展開が有利にならない」ということが起きたり、「読みが外れたけど結果としてより試合が有利になった。ラッキー。」というようなことが起きたりすることが、往々にしてあり得るということだ。よって、読みが当たっただの外れただので一喜一憂していたのでは、上記のような誤解を理解出来ずに、読み合いという名のドツボにはまっていきやすい。最悪の場合、疑心暗鬼にもなり、自分の行動を信じることが出来ず、操作ミス等も引き起こしやすくなるかもしれない。よって、読み合いというそういうものなだと理解することが大事だ。その先の結果なんて、蓋を開けてみなければ分かるはずもない。だからこそ、ジャンケンのような運ゲーの要素があると言えるのでは無かろうか。
取り分け、対戦格闘ゲームの大会などでは、一発勝負で終わるというケースが殆どないのも事実。2本先取だったり、3本先取だったりするのは、このような偶発的要素があるので、試合の本数を多くすることで、運の要素を緩和しようとしているのだ。
では、本当にジャンケンだけかというと、そうでもないのが、読み合いの面白い所。それが次から話す、心理戦についてだ。
心理戦を制し、ジャンケンをコントロール
読み合いは、心理戦の要素も多分に含んでいる。
心理戦について話す前に、対戦ゲームというものが、精神面における影響が強いというのを、まずは押さえておいて欲しい。精神的に大きく動揺してしまえば、先のことを考える余裕も、手を動かす余裕も無くなり、普通の試合ではしないような動きをしたり、ミスをしたり、安易な行動を取ったりしてしまうことがある。そういうのを経験したことがある人が大半ではなかろうか。これは人間である以上、仕方のないことである。しかし、人間であれば誰しも起こり得るその要素を、心理戦で利用していくのだ。
心理戦と言うのは、相手の動きをそのように誘導することから始める。
自分にとって有利な展開となるように、様々な方面で圧力をかけていく。圧力のかけ方と言うものは、キャラやプレイヤーの方法次第で無数にあるので、ここでは割愛する。
先程、ジャンケンという運ゲーの要素があるとは言ったが、この心理戦次第で、いくらでも自分にとって有利となるようにジャンケンの手をコントロールする事が可能だ。つまり、運の要素が含まれつつも、人間側の介入次第でいくらでも変えられる可能性も含んでいる。運と実力の要素、どちらも入り込んでいる非常に面白い要素と言えよう。
もちろん、どちらの要素も強く含んでいるため、結局運の要素だけ強く出てしまって、実力なんて…と思うような状況になることも起こりうる。逆もまた然りだ。
こんな感じで、読み合いと言うものは、奥深い。対人戦をより一層複雑にしているのは、この読み合いの要素があるからに他ならない。だからこそ、読み合いというのは面白くもあるし、時として理不尽と感じることもあるだろう。そんな読み合いの本質というものを、しっかり理解することが出来れば、対人戦においてスキルアップとなり得るのは勿論のこと、精神面でも大きなアドバンテージになると思うので、これを機に理解を深めてくれれば幸いである。
コメント
スマブラWiiuのシンプル9.0が攻略できません。どうすればいいでしょうか?
次のRTAの動画はシンプル9.0でお願いします。
本当に攻略したいのであれば、カスタマイズを工夫することで、大幅にシンプル9.0は突破しやすくなります。
RTA動画を次も導入するかは未定ですね。
やっていて、殆ど楽しくないのが辛い…。
読み合いって決まれば本当に気持ちがいいですよね。
うまくできるようになりたいです。
決まった時の爽快感が格別なのは言うまでもありません。
読み合いが上手くできれば、他の対戦ゲームでも大いに流用できるのが良いですね。
対人格闘ゲーム(スマブラはもどき?)は、まさに一挙手一投足が読み合いですよね
だからこそ、ずっと前の記事の「全ての行動に意味を持たせよ」という話が活きてくるわけですね
そうですね。自分の取る行動に意味を持たせることで、相手を読むということの理解もより一層深まるのだと思います。
64とかは1回でも読み間違うと最悪そのまま撃墜される印象だったので大会ではストック5とかだったんですかね?
現在ではそんなことはほぼなく、代わりに読み勝たなくてはいけない回数が増えましたが・・・
追い詰められると安易な行動が増えるということは、暴れ技や出し得技や3F以下発生技が多数あるキャラは使いやすいということですかね?
64は、ずらしという概念がほとんど存在せず、吹っ飛ぶ方向も全く変えられず、吹っ飛びの硬直も長いため、一度派生技が当たってしまうだけで、即死することが日常茶飯事ですね。だからこそ、ストックが5つというのは、あり得る話だと思います。
安易な行動に関しては、確かにそう言えますね。
強力な無敵となれる行動があり、そのリスクが低ければ安易度は増してきます。
これは緊急回避等にも言えることです。
初コメントです!
一つ一つの記事がわかりやすくまた、面白いので一気に読んでしまい、スマブラのモチベーションも上がってきました!
色々大変だとは思いますが、頑張ってください
初コメントありがとうございます。
読者にとって面白くて、ためになる記事を作成していきたいと思っているので、そう言っていただけるのは、本当にありがたいです。
これからも頑張ります!
自分より弱い人と戦うときは重量パワー型(読み勝つ必要回数が少なく、読み負けてもある程度余裕がある)のがやりやすいのはこういうわけか。
対等以上からはそんなことはないけどね。キャラ性能や相性の要素が大きくなるが・・・
重量級のキャラは、読み勝つ量が少なくても勝てますが、その分読み勝つのが難しくなりがちですからね。
下手に読み合いを仕掛けようとするとDAやつかみで追い払われるのですが、どうしたら良いでしょうか?
何度も簡単に追い払われる場合、そもそも読み合いになっていないことが殆どです。
自分が読み合いであると思い込んでいるだけで、相手からすれば簡単に処理できるようなケースはいくらでも起こりえます。
きちんと読み合いに持っていきたいのであれば、そうするための場作りも非常に重要と言えるでしょう。