大会やイベントにおける落選の問題点

大規模な大会や人気のイベントでは定員を遥かに超える参加希望者が殺到する事がよく起こる

かく言う筆者も東京で開催されるスマブラの大規模イベントであるウメブラSAT(正式名称はウメブラ Second Anniversary Tournament 』に参加希望を申請していたが、その圧倒的な参加希望者を前に落選してしまった身だ。

その応募方式が先着順だったこともあって、参加募集開始となるや、募集サイトはサーバエラー頻発。募集開始時刻まで全力で待機していた(もちろん筆者も該当)ものでさえ抽選漏れしてしまう程の人気っぷりでTwitterのタイムラインでも阿鼻叫喚の地獄絵図であった。

そこで今回は、このことについての記事を書こうと思うが、その前に言っておきたいことがある。

  • 筆者は今回の落選について、別に愚痴などを言うつもりは決して無い

勿論、落選自体は残念ではあるのだが、筆者は落選の経験を他の所でもしているし、仕方ないと割り切っている。それに加え、落選したからといって大会運営サイドを悪く言うことなんて言語道断だ。今回話したいことはそんなことではなく、色々と問題点や課題が浮かんできたため、それについてなるべく客観的に解説しようと言う、ただそれだけのことだ(このことはベヨネッタ禁止記事でも同じような事を言っている)。少しでも誤解が減って頂ければ幸いである。それでは、解説を初めていこう。

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先着順か抽選か

定員を遥かに超える参加者が集まる場合、当然定員まで人数を絞らなければいけない。その絞る方法としては、基本的に「先着順」および「抽選」の2つに大別される。まず結論を述べさせていただくと、優劣を一概に決めることは難しく一長一短の関係とも言えよう。それぞれ特徴があるのでそれを簡単に話していく。

  • 先着順

早い者勝ち。とにかく早く申請したものが枠を勝ち取るという分かりやすい方式。抽選とは違い、全力で応募開始時間まで待機することで、当選する確率は抽選よりずっと高い。そして抽選とは違い、参加確定であるかどうかが申請直後に分かるため、参加者の予定も建てやすい。しかし、いくら先着順であろうとも、応募者が圧倒的に定員より多ければ、結局はその中で抽選されることと同義と言える。特にインターネットを経由した参加方式だとサーバエラーによりあるものは入れたり、入れなかったりするが、これもある意味では抽選と言えるかもしれない。全力で最速応募するものの中から選んでいるようなものだから。

  • 抽選

応募・申請の時間は関係なく、一定の期間までに応募した者の中から選び出す。先着順とは違って、サーバエラーなどとは無縁で、応募する時間に追われることも縛られることもない。
さらに先着順ではネット回線環境などにも左右されるため、そう言った要素もゼロだ。よって、公平感はこちらの方に軍配が上がるであろう。この方式は、定員よりも参加希望者のほうが圧倒的に多いと予想されるイベントなどで多く行われる方法だ。逆にそうでない場合は、下手に抽選形式を取ってしまうと、ただでさえ集まらない参加者が更に集まらなくなる事態になる可能性が高い。ある程度の人気が約束されていないと取りづらい形式とも言えるだろう。また、抽選の方法がしっかり公平であるかどうかは応募者からは分からない事が殆どなので、運営側の良心に掛かっているのも抽選のデメリットかも知れない。

相当な人気が予想されるなら抽選形式が無難か

もしもある程度、事前に人気が出ることが予想できるのであれば、ウメブラSATも先着順ではなく、抽選形式にした方が良かったかもしれない。しかし、上記で述べたようにどちらも一長一短の関係のため、ベターであるがベストとは限らないとだけ言っておく。

参加人数の問題について

大規模な大会なのに参加人数が少ないのが問題と言っているのを何度か見かけた。しかし、例え参加人数を増やそうとも、それ以上の応募者が集まれば結局落選する可能性があることに変わりない。さらに(特に東京では)大人数を収容できる会場の確保は、人数が多くなればなるほど、予算も会場を借りる日時を取ることも厳しくなっていく現実がある。気になる人は、500人や1000人以上の人を収容できる会場を抑える事がどれだけ難しいか調べてみると良いだろう。

だから、参加人数が足りないと批判するのは、理に適っていない上に、多少参加人数を増やせた所で根本の問題は何も変わらない。人数の問題に関しては運営側の方針に従うしか無いだろう。その人数の中に入れなかったのであれば仕方ないと割り切ろう。

悪質な多重申請(複数の応募・申し込み)について

この記事の中で筆者が一番言いたいことかも知れない。

これは、抽選・先着順のどちらであっても起こりうる問題点だ。自分の当選確率を上げるために、複アカウントや協力者などを募って、申し込みを複数行う。当然、多ければ多いほど確率は上がるので、ある人は相当数の多重申請をする可能性もあるだろう。そうなると、複数当選してしまう確率も上がってしまう。そうなってしまった時は無断でキャンセルをしたり、その枠を交渉で譲ろうとする動きなどが起こる。こういった行為は、普通に参加したい人たちの気持ちを踏みにじる行為であり、許される行動では無いと筆者は考えている。

実はこういった現象は、人気アイドル・アーティストのライブ等では必ずと言っていいほど起こるであろう、転売の問題とよく似ている。そこに大きな需要がある限り、それを悪用しようとする輩は必ず出てくる。これは市場主義である限り逃れられない現実でもある。

そしてこの残念な行為はスマブラでも出てしまっている。

スマブラforでは、ニコニコ運営の公式大会があった。当然参加希望者も圧倒的に多いため、抽選形式を取っていたわけだが、大会当日、無断欠席が相次いだのだ。余りにも不自然に。これは、複数当選してしまったがために、無断キャンセルをしたというのが濃厚だ。そのキャンセルした枠で他の落選した人が参加できていた筈であったので、これは他の参加者に及び運営に多大な迷惑をかけていると言える。

ウメブラSATでも、募集開始直後から、何故か複数のキャンセルが相次いで出ていた。この時もそのような多重申請が発生していたかもしれない(すぐにキャンセルした為、その枠に普通に参加したい人が入れたなら結果的には大きな問題とはならなかっただろうが)。

このような多重申請は、申請が匿名で可能だったりコストが一切かからなかったりして気軽に申請出来る形式であった場合は、防ぎようがない。だから、事前に相当な応募者が来るであろうと予測できる場合は、多重申請の対策を行う必要があると筆者は考えている。

そこで筆者の考えうる多重申請対策の方法を幾つか延べてみる。

ワンタイム・パスワードを導入する

ワンタイム・パスワードとは、簡単に言うと、登録や申請の際に認証のパスワードを電話を通じて行い、そのパスワードを入力することで申請が無事完了するというシステムのことである。認証パスワードが電話を通じて伝えられ、その音声で言われたパスワードを入力する必要がある。何人かは経験したことがあるのかもしれない。

ワンタイム・パスワードの詳細が知りたい方はこちらをクリック

申請に必要なのが、Twitter等の無料で複数作れるアカウントだけであれば、多重申請は防ぎようが無いが、電話番号であれば基本的に複数持っている事は殆ど無いので、多重申請も減る可能性は高い。ただし、知人や家族の電話番号を利用したり、複数電話を持っている人が利用すれば多重申請は可能になってしまうが、それでも悪質な多重申請の数は、かなり減るだろう。

そして最大の利点はコストが殆どかからない点である。

非公式の主催者がイベントや大会を開く場合、コストを大きくかけることは出来ない。その点で、コストをかけずに運営側・参加者側のどちらとも負担が非常に少なく、それでいて多重申請の対策が出来るこの方法は有用だと考えられるのではなかろうか。

身分証明書などを提示する

申請時に名前・住所等を記載し、イベント開催日に身分証明書となるものを提示するように義務付ける。

他には申請時に顔写真を送って当日に確認する(人気のあるライブ等で行われている手法)方法なども該当する。そのことにより、悪質なキャンセルはブラックリストなどに入れて管理することも可能であり、参加権の悪質な交渉による譲渡も殆ど無くなる。しかし、当日に運営側の負担が大きくなってしまうこと、そして何よりHN(ハンドルネーム)が基本の世界で名前を出す事を躊躇う人が少なからずいるため、参加申請を嫌厭する可能性が高いデメリットがある。個人情報が漏れることは許されないため、そうなると運営側の責任問題にも繋がる。非公式のイベント・大会では厳しいものがあるかもしれない。

クレジットカードを用いて事前に参加費を支払うようにする

クレジットカードの番号が必要なこと、事前の支払いが必要なことから、これもまた複アカウントによる多重申請を大きく牽制することが可能。ワンタイム・パスワードと同じようにサイト運営でセッティングをするだけで、身分証明書提示のような、当日に手間がかかることも無いため、これも有用かも知れない。事実、幾つかの大会やイベントの運営ではこの方法で申請・精算を行っている所もある。しかし、大きなデメリットもある。まずクレジットカードが必要なため、低年齢層の参加申請のハードルが非常に高くなる点が一つ。クレジットカードの申請は一般的に18歳以上(高校生不可)が条件のため、親の許可が無いとまず申請出来ず、小学生~高校生の人やクレジットカードを持っていない人からすれば、とても気軽に参加申請できたものではない。さらに、クレジットカードの番号という極めてデリケートかつ重大な個人情報を扱うため、情報漏えい対策を始めとした責任は非常に重く、大きい。よって、この方法を用いるのであれば、その点をゆめゆめ忘れてはならない。また、事前支払いにすると、キャンセル時の負担も当然大きくなるため、参加申請の気軽さから更に遠のく。

以上で解説を終わらせていただく。

参加者を先着順にしろ、抽選にしろ決めるに当たって、色々な問題点や課題が出てくるのが分かるだろう。その上、それらの問題・課題を解決することも簡単ではない。大多数の人数を扱えば扱うほど、この問題点は大きく、そしてたくさん出てくることだろう。だがしかし、それらの問題点も対策が可能な所はあるし、自分のできる範囲で対処できることも何かしらあるはずだ。最初から出来ないと諦めるのではなく、問題に自ら立ち向かって対処していく姿勢も大事であると思う。

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